こんにちは、革漉機メーカー、ニッピ機械の社長、青田です。
レザークラフトを始めて、革製品を作っていくと、前の作った物より、レベルアップした、
いいものを作りたいんだけど、「もっと簡単で、良い道具ないかな」、皆さんお探しではないでしょうか。
その中で、革製品の出来栄えをレベルアップしたいなら、“革漉き作業”は必須になってきますよね。
☑革細工を始めたばかりでもっと道具を知りたい
☑今は手漉きを行っているけど、次は何を使えばいいのか
☑そろそろ革漉き機を検討しようかな
そんな、皆様に!!
あなたにピッタリな革漉き機を見つけるために
革漉きメーカーNIPPYが「革漉き機購入で失敗しない、革漉き機の選び方」をプロ目線からご紹介したいと思います。
目次
革漉きって何?
まず、漉き・・・なんて読んだらいいの??と言う人が多いのではないかと思います。
革漉きとは「カワスキ」といい、“漉く”と言う言葉から、“紙漉き”!!を連想された方が多いのではないかと思います。でも、紙を漉くとは言葉の意味合いが違い、革での「漉き」とは少し意味合いが違います。
革漉きとは簡単に言うと、“革を削る、削ぐ(そぐ)”という意味合いで使われています。
革を削ぐ(革漉き)の目的は
- 材料と材料と重ね合わせ、ミシン縫製する場合、厚みが厚いと縫製がし難いの で、縫い代の部分の厚みを薄く削ります
- 端の部分を折返したい場合、材料にコシがあると折返し難いですよね。
その場合に、漉き作業で厚みを薄くすればミシンで縫う前に折返しが簡単になります - 完成品の材料が余分なところを削って、軽くする
- 削り落とす事で表面が荒れて、接着剤が付きやすいようにする
- コバを削り落とすと製品自体が「フワッと」した仕上がりになる
- 芯材が入る様な場合、表面に凹凸が出来る為、あえて、その部分だけ削り落とします。
考えると・・・・もっと、ありますが、簡単に言うと、要らない部分を削り落とす為に行います。革製品を作っていて、なんか、折返ししにくいな、厚みが気になるなって、思われたら、大抵この漉き作業を行えば解消します。徐々にレベルアップしていくと漉き作業を必ず必要になってきます。
革漉き機の種類
◆革包丁、カッター 1万円以内
レザークラフトを初めて、革の裁断で最初に購入するのは、革包丁やカッターナイフですよね。
革は繊維層なので、思っている以上にすぐに切れなくなります。なので常に「刃研ぎ」を行いながら使用します。またこれが、漉き作業になると更に、切れなくなりやすいで、革包丁は“刃の研ぎ”の習得が重要ですね。でもこの万能性は魅力がありますよね。
◆手動式革漉き機 5千円~5万円
手漉きで大変って感じ始めた人が、最初手ごろな価格で、革漉き機無いかなと、探していきつくのは“手動式革漉き機”。様々なメーカーが出していますが、基本的には台の上に、革漉き機をしっかりした台に固定し、材料をローラーと刃物の間に革を挿入し、材料を手で引張りながら切っていく。角度、幅調整も出来るので、コシのある革なら漉き作業はやりやすいです。それなりに慣れが必要な部分はありますが、手軽さとコストには魅力が有りますね。
◆家庭用電動革漉き機(スカイミニ) 198,820円(税込218,702円)
当社製品のご案内になってしまうようで大変恐縮ですが・・・(^^;)
従来電動用の革漉機は、「頑丈=重たい」「工業用革漉き機=取扱いが難しい」という考え方でしたが、この考え方を壊したのが、2019年1月から発売した電動式では最軽量の革漉機「スカイミニ」です。家庭用で使用される方は、「使いたい時に持ち運んで使いたい」「漉き作業を楽に簡単にしたい」「メンテナンス簡単なものがいい」とお悩みをお持ちです。そんな方に、おススメのできる最適な機械は、このスカイミニです。
また2021年3月よりリニューアルを行い、さらに使いやすくなりました。
主な変更点
・送りローラーをゴムから鉄に変更
・押え金の先端を樹脂押え金に変更
・重量を12kg→10.5kgに軽量化
・オプションの押えハンドル・フットペダルを標準化
・フットペダルを外付けから一体タイプに変更
・本体にフットペダルの収納スペースを増設
・動作音をさらに静音化
家庭用革漉き機スカイミニの特徴
- Aサイズでコンパクト
- 世界最軽量軽さ(10.5kg)
- 交換式刃物
- 安全設計
- メンテナンスフリー
- デザイン選択
- コバ漉き専用機
年齢問わず多くの女性、男性がご使用されています。
◆工業用革漉き機(中古) 150,000円~250,000円(セット価格)
家庭用では物足りない、「俺は副業ではなくレザークラフトを本気でやりたいんだ」ってな人で工業用革漉機欲しいけど、予算的に厳しい人が購入するのは、主に工業用で使用されていた革漉機の中古品、製造メーカーはNIPPY、西山(既に廃業)、Fortuna(ドイツ)、台湾製、中国製が多くあります。現在市場で一番出回っているのは当社のNP-1、NP-2黒色のタイプですね。製造年代はバラバラですが、60年前に製造された機械も中古品としても出回っています。
とにかく、頑丈なので、一部部品を交換しただけで、本格的な漉き作業は出来てしまう。
ただ、最近中古品購入後のトラブルが非常に増えています。
現在ネットオークションやミシン屋さんなど、中古品が多く販売されています。工業用革漉機は、一般の家電量販店で売られている機器類とは全く違い、修理や機械調整には専門知識が必要です。購入先により、機械の状態が不明な物が多く、一度きりの買い物ですから、多少の値段より、購入後のトラブルもしっかり対応していただける購入先から購入をお勧めします。
ニッピ機械 販売ネットワーク
https://www.nippy.jp/other/network.html ※販売店が販売する商品は、ニッピ機械は品質保証した製品では無く、販売店が品質保証した製品ですので、ご注意ください。 |
◆工業用革漉き機(新品)400,000円~500,000円(モーター仕様セット価格)
ニッピ機械が国内唯一製造する革漉機です。プロの漉き屋さんや工業用で使用されている革漉機はオールランドで漉き作業出来る、具体的にはどんな特徴があるのか。
①工業革漉き機の特徴
- 漉き精度―繊細な漉き精度
- 様々な漉き形状が出来る―斜め漉き、ベタ漉き、溝漉き、段漉き・・・
- 耐久性―とにかく頑丈です
- 柔軟性―材料ごとに機械をチューニングする事が出来る
工業用は、調整の自由度が高く、材料に合った最適な研磨状態を見つければ抜群の性能を導き出す事ができます。この性能を出す為には、機械に精通した近くの販売店の取扱い対応や修理対応が必要となります。
②工業用革漉き機の重量と大きさ
工業用革漉き機を使用する場合には、革漉き機本体+テーブル台+モーター+テーブル脚+屑流しは最低必要になります。
革漉き機重量: 40kg + テーブルその他(40kg)= 80kg
サイズ: 縦530mm×横600mm×高さ1160mm(半テーブル時)
移動時には本体とテーブル部を分離できますが、簡単に移動は難しいですね。
③日常メンテナンス
工業用革漉き機は日常的なメンテナンスが必要です。
・刃の研磨(研磨装置は付帯しているので、砥石で刃の研磨を行う)
・定期的な注油、グリスアップ(回転する箇所の焼き付き防止)
・機械内部の掃除(故障防止やゴミと研磨火花による発火防止)
革漉き機を選ぶポイントは?
革漉き機は様々な種類があるので、「で、どれが自分にとって最適なの?」と思われている方に、更に、価格、機能性、コンパクト、操作性、信頼性でまとめて、比較してみます。
価格 | 機能性 | コンパクト | 操作性 | 信頼性 | |
手動式革漉き機 | 5千円~5万円 | △ | ◎ | △ | ◎ |
家庭用革漉き機 | 198,820円 | 〇 | 〇 | ◎ | ◎ |
工業用革漉き機(中古) | 15万円~25万円 | ◎ | △ | 〇 | 〇 |
工業用革漉き機(新品) | 34万円~40万円 | ◎ | △ | 〇 | ◎ |
上記に更に付け加えて、選定ポイントご紹介します。
【将来、数量を作って、レザークラフトを本業にしたい人】
→工業用革漉き機をお勧め
【将来、本業にしていくけど、新品を買う予算が無く、メーカーの品質保証はいらない、自分でメンテ出来る人】
→工業用革漉き機(中古)をお勧め
【趣味や副業で、レザークラフトを行っているので、本数は作らない人】
→家庭用革漉き機(スカイミニ)をお勧め
【レザークラフトを初めてまだあまり年数が経っていない人】
→手動式革漉き機をお勧め
家庭用革漉き機スカイミニと工業用革漉き機は何が違うの?
工業用革漉き機と家庭用革漉き機の違いについて考えてみます。比較した表で表現してみます。
◆漉きスペック
家庭用革漉き機 - コバ漉き専用機(斜め漉き、段漉きに対応)
工業用革漉き機 - コバ漉き、ベタ漉き、様々な漉き作業に対応
◆音、騒音
家庭用革漉き機 - 漉き作業時のみ音が発生、比較的小さい
工業用革漉き機 - モーター音の重低音があり、研磨作業をすると大きな音がする
◆刃の研磨装置
家庭用革漉き機 -平刃(火花が出る研磨装置は無く、切れなくなったら交換)
工業用革漉き機 -丸刃(刃の研磨作業)
◆日常メンテナンス
家庭用革漉き機 ―日常メンテナンス箇所はありません
工業用革漉き機 ―刃の研磨、給油や摺動部の掃除、専用者のメンテ必要
◆モーター
家庭用革漉き機 - 内臓型80W
工業用革漉き機 - クラッチモーターかサーボモーター必要250W以上
◆重量と大きさ
家庭用革漉き機 - 10.5kg 縦240mm×横330mm×高さ340mm
工業用革漉き機 - 80kg 縦530mm×横600mm×高さ1160mm
革漉き機ってどこで購入できるの?
◆手動式革漉き機
「手動式革漉き」とネットで検索、ネット販売
◆家庭用革漉き機スカイミニ
ニッピ機械の公式販売サイト https://www.nippy.jp/skimini/
◆工業用革漉き機
ニッピ機械販売特約店 https://www.nippy.jp/other/network.html
近くに特約店が無い場合は、ニッピ機械に直接ご連絡ください。
電話番号は0790-49-1414
最後に・・・
中古革漉き機で失敗しないチェックポイントは?
革漉き機でも最近中古品購入後のトラブルが非常に増えています。
購入後のトラブルで「使い方がわかならい」「機械が動かない」「取説もないので、必要部品がわからない」などのお電話を頂きます。ご自身が革漉きについて、購入前にある程度の知識を付ける必要性があります。買って失敗しないチェックポイントをご紹介します。
その前にやっておくことが有ります。あなた自身が革漉き機について知識を得る革漉き機の取説を購入する、知り合いの人に革漉き機を見せてもらう、販売店に問合わせる・・と様々な方法がありますが、まずはあなた自身が革漉き機とはどんなものなのかをよく理解してください。
その上で、失敗しないチェックポイント
①信頼できる出品者、販売者か
口コミや実績をネット上でも確認できると思いますが、その得た革漉き機の情報で、出品者に革漉き機について質問をして知識度を確認してみてください、あまりはっきりした回答が無い場合や薄い回答の場合は今後の購入時にもアフター時にも困る可能性があります。
②部品は全て付いているか
購入前には機械の知識は薄いと思いますが、今なら革漉き機の紹介雑誌も多く出ていますし、当社に事前に革漉き機の取説を販売していますので、ご購入して頂き、写真と比較してみてください。また「全て部品はついていますか」と質問してください、これ一つの予防策になると思います。
③漉いた現物を見せてもらう
漉き作業で特に漉き難いのは“軟らかい革”です。刃の線や厚みが安定していない様な場合は、刃の線だけなら、研磨で直りますが、主軸自体に振れが有る場合は、大掛りな調整か部品交換が必要になります。
☑レザークラフトを次のレベルに進めたい!
☑手漉きに疲れた!
☑もっと良いものを作りたい!
そんな方に最適!
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