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【プラスチックのリサイクル加工事例】カーペットを分離、回収するスライス加工技術

こんにちは、軟質材料用高精度スライス加工機メーカーのニッピ機械です。

当社は、材料のスライス加工設備の製造と開発支援として受託加工サービス、を提供しています。
軟らかいゴム、発泡体、不織布、エラストマーなど、高機能材料を高精度に加工することができます。柔軟な生産量への対応やカスタム仕様への対応、品質管理を重視したサービスを提供しており、自動車産業、電子機器、医療機器、建築、リサイクル産業で活用頂いております。

今回の事例紹介は、タイルカーペットのパイル層とゴム層とを分離し回収まで行うスライス加工のご紹介です。

【プラスチック資源のリサイクルに悩まれていませんか?】

〇 タイルカーペットのパイル層のみ分離スライス加工し回収したい

〇 タイルカーペットのゴム層のみ分離スライス加工し回収したい

〇 プラスチック複合材料を短時間に分離スライス加工したい

〇 コンパクトでコスパのいいリサイクル設備ない

その様な悩みを、このブログで解決致します!

 


【タイルカーペット材料の選定】

近くのホームセンターに行き一般的な新品のタイルカーペットを購入してきました。
パイル素材はポリプロピレン、ベース層はゴム、材料サイズは縦500㎜×横500㎜×厚み4.5㎜、価格は1枚300円ほどでした。
様々なデザインの材料が販売されていましたが、皆さんに見ていただきやすいように明るめの色を選定してみました。

 


【タイルカーペットのスライス加工準備】

今回のご紹介では、様々なスライス加工厚みごとにどのような状態になるのかをご紹介したいので、
購入した材料500㎜×500㎜を4等分し250㎜×250㎜に4枚カットしました。
スライス加工設備の加工条件設定を実施し、パイル層とゴム層の界面をスライス加工する機械設定を行いました。
写真は条件出し用に準備した材料で機械装置の条件設定を行いました。
最終的にパイルが回収できる状態まで機械調整を行いました。

 

 


【タイルカーペットのスライス加工検証】

今回のスライス加工検証では厚みごとにパイル層の回収重量を検証してみました。
目的: タイルカーペットの界面部0.2㎜単位で厚みを調整し、パイルの回収量を計測しパイル回収に最適な界面部を見つける
条件
材料    :縦250㎜×横250㎜×厚み4.5㎜、250g
機械条件  :0.2㎜単位で界面層を調整し分離スライスを実施する
基準面   :ゴム層
検証パターン:4種類(ゴム層2.3㎜、2.5㎜、2.7㎜、2.9㎜)
分離判断  :目視により判断
測定器   :デジタルはかり
加工設備  :軟質材料用高精度スライサー

加工風景

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

加工結果

パターン ゴム層厚み パイル重量 加工結果
1 2.3㎜ 33.8g(ゴム層含む) ゴム層が完全に残る
2 2.5㎜ 22.4g(ゴム層含む) ゴム層一部混入
3 2.7㎜ 17.4g パイル層とゴム層完全分離
4 2.9㎜ 17.1g パイル層とゴム層完全分離

総括
パイル量が最も回収でき、ゴム層が混入しない厚み層はゴム層2.7㎜が最適であることがわかりました。
ゴム層のみを回収した場合に最適な厚みはゴム層厚み2.3㎜が最適であることもわかりました。

 


【どんな設備でスライスするの】

軟質素材用スライサー

ゴム、スポンジ、発泡体の軟質素材バンドナイフスライサー
最大漉き巾は480mmで、その漉割精度は正確で滑らかなスライス面が得られ、誰にでも容易に使用できる最高の機械です。

ゴム、各種スポンジ、不織布、発泡体、ゼラチン等の高機能軟質素材の厚みを高精度で薄くスライス(バンドナイフスライサー)する機械です。
主にはフィルター、タイヤ、電線用のダンベル試験用と工業用スポンジ各種加工用途で使用され、軟らかい難素材を高精度で、滑らかなスライス面に加工出来る機械です。

【仕様】
○最大ローラー幅 480mm(最大スライス幅450mm)
○最大ローラー昇降 30mm
○機械寸法 1150 L (mm) x 1580 W (mm) x 1240 H (mm)
○機械重量 850 kg

精密バンドナイフスライサー

 

 

 

 

 

【加工設備の紹介動画】

 

 


【スライスポイント】

材料が軟質で、繊維なので材料に合わせた機械の条件出しが必要となります。
当社では、天然皮革を加工してきた皮革加工技術を活かし、軟質や不均一な材料を高精度に加工する独自技術化しています。

加工難易度レベル:高

〇材料の密度、繊維方向
不織布やフェルトの場合、密度、繊維方向が不均一であり、スライス厚みは不均一になりやすい。

〇複数枚スライス加工
表面上は分からないですが、スライス加工後、材料内部が不均一で複数枚加工する事が難しいです。
これは実際にスライス加工を行い、分割しないと分からない加工です。


【こんな方はぜひお問合せください】

・厚みを任意の厚みに分割したい

・薄皮だけを除去したい

・長尺物を連続的に加工したい

・表面が平滑ではないモノをスライスしたい


【ニッピ機械が出来る事】

・自社でのお客様のお困りごとを丸ごと解決致します。
(材料開発支援、設備販売、機械加工、組立、メンテ)

・商品開発や量産前の立ち上げ支援にもご協力
お客様から「材料開発品で、量産になるかわからないけど、
この材料スライス出来るかな」喜んで、サンプル製作から
量産立上までの加工支援をお手伝い。

最後まで読んで頂きまして有難うございました。

さらにご興味がある方は、当社のお問合せフォームからお問合せください。


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